タロットには謎めいた絵が描かれていて、その意味をひとつずつ覚えなくてはいけないと思っているかもしれませんね。
でも、難しく考えなくて大丈夫です。
大事なのは、タロットカードから受け取ったインスピレーションを、そのままシンプルに言葉にすること。１枚のカードから発せられるメッセージは無限にあり、正しいとか間違っているとかは、ありません。
この記事では、タロットの中から『死神』のカードについて、とくに重要なエッセンスを抜き出して、お伝えしています。
死神の絵の解説
まずは死神のカードの絵をご覧ください。
死神の３つの注目ポイント
死神の注目ポイントは３つです。
１、『THE』がついていない
２、教皇にすら死は訪れる
３、どくろの顔
一つずつ順番に見ていきましょう。
１、『THE』がついていない
タロットカードのタイトルに注目してください。
たとえば魔術師は「ザ・マジシャン」、皇帝は「ジ・エンペラー」というふうに、定冠詞『THE』がついています。
【死神】のタロットカードに似た存在として、悪魔のカードも「ザ・デビル」です。『THE』がつくと、「その」悪魔、「その」魔術師、「その」皇帝と、特定のものを指します。
では、『THE』が付かない『death』とは？ 特定の死神というキャラクターをあらわすものではありません。より正確に訳すなら、この【死神】のタロットカードは、「死ぬということ」「死という概念」というのが正しいでしょう。
２、教皇にすら死は訪れる
「死ぬこと」は、誰にでも平等に訪れます。
生きていれば、死を免れることは絶対にない。横たわる王様らしき人物も、女性も、子どもも、みんな死ぬ。
【死神】のタロットカードに描かれているのは、５番のタロットカードに描かれていた教皇ですね。
神に近い存在である教皇も死ぬ。この世界に絶対はないけれど、いつか死ぬということだけは絶対。しかも、平等なのです。
３、どくろの顔
ウエイトの【死神】のタロットカードは、なんだかかっこいいどくろの騎士ですが、古い【死神】のカードのデザインでは、草刈り鎌を持つ骸骨でした。
骸骨は、鎌ですべての命を刈り取ります。タロットカードに取り入れられたモチーフの中でもとくに古いもので、ベズビオ火山の噴火によって滅んだポンペイの遺跡にも、どくろのモチーフがあちこちに飾ってあります。
そこには、「死ぬまで精一杯生きよ」という言葉が添えられました。
死神のキーワード
覚えておきたい３つのキーワード
死神のカードの絵についてイメージができたら、死神のカードの典型的なキーワードをご紹介します。死神の覚えておきたいキーワードは３つ！
(1)終わる
(2)無関係になる
(3)感情がない
死ぬのは怖いというけれど、死んでしまえば、怖いという感情、感覚さえなくなってしまいます。だってそれが死ぬということだから。
死について考えるのは怖いけど、死そのものは、もはや怖いもなにもあったものではありません。
【死神】のタロットカードは、単に「終わり」というだけのカードです。
もう、何にも関係ない。どんなに嫌なことがあっても、それも終わりです。けじめがつく。手放す。ストップする。しがらみもなし。あっけないものです。
そして、「何かが始まるためには、その前段階として何かが終わることが条件になる」とも暗示しています。
死神のカードが機能不全を起こした場合
そんな【死神】のタロットカードがうまく働かないと、中途半端な終わり方になってしまうかもしれませんね。
逃れられない不安。まだ助かるかもしれないと、的外れな期待を抱く。往生際が悪い。未練が残る、などなど。きちんと終わるって、大事なことなんですね。
死神の実占例
【死神】のタロットカードが、実際の占いで出てきたとき、どんな解釈ができるでしょう。
人間関係や恋愛を占ったら、かなり厳しそうですね。「相手に興味がありません」ということですから。
たとえ嫌いだとしても、嫌いという感情を抱くほどには、相手を意識している。しかし、死神は意識もない状態ですから、相手は存在しないも同然です。
また、それまで続いていた出来事は、停止します。未来を示す位置に、魔術師のような、始まりを示すカードがあれば、仕切り直しという可能性もありますが、【死神】のタロットカード単体では、活動再開のイメージを作るのは難しそうです。
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■タロットカードの意味・解説ページ一覧
【大アルカナ】
0.愚者 / 1.魔術師 / 2.女教皇 / 3.女帝 / 4.皇帝 / 5.教皇 / 6.恋人 / 7.戦車 / 8.力 / 9.隠者 / 10.運命の輪 / 11.正義 / 12.吊るされた男 / 13.死神 / 14.節制 / 15.悪魔 / 16.塔 / 17.星 / 18.月 / 19.太陽 / 20.審判 / 21.世界
