タロットには謎めいた絵が描かれていて、その意味をひとつずつ覚えなくてはいけないと思っているかもしれませんね。
でも、難しく考えなくて大丈夫です。
大事なのは、タロットカードから受け取ったインスピレーションを、そのままシンプルに言葉にすること。1枚のカードから発せられるメッセージは無限にあり、正しいとか間違っているとかは、ありません。
この記事では、タロットの中から『悪魔』のカードについて、とくに重要なエッセンスを抜き出して、お伝えしています。
悪魔の絵の解説
ちょっと怖い感じがする絵ですが、勇気を出して細かく見ていきましょう。
悪魔の3つの注目ポイント
悪魔の注目ポイントは3つです。
1、教皇とは違うハンドサイン
2、山羊の角とデビルスター
3、鎖でつながれた男女
一つずつ順番に見ていきましょう。
1、教皇とは違うハンドサイン
【悪魔】のタロットカードと構図と似た構図のタロットが2枚あります。「教皇」と「恋人」です。
「教皇」が神との結合を表し、「恋人」が愛する人との結合を表すなら、【悪魔】のタロットカードは、ダークサイドの力との結合を表すということになるでしょうか。
「教皇」の右手が“神の祝福”を表していたのに対し、【悪魔】の右手は“悪魔の祝福”。といったら……どんなことになるのでしょうか。
2、山羊の角とデビルスター
タロットカードに描かれている【悪魔】には、もとになったモデルがあります。
大きな角のある黒い山羊の頭。19世紀フランスの魔法使いエリファス・レヴィが描いた、メンデスのバフォメットという悪魔の絵です。
とにかく、「神ではないけれど、神に負けないパワーがある」「何もかも神の逆を行く」というのが、悪魔。
その証として、額には、デビルスターという五芒星が描かれています。
神聖な五芒星はひとつのとがった角を上に向けて書かれるのですが、デビルスターたる逆五芒星は、山羊の角のように、ふたつの角を上に向けています。
3、鎖でつながれた男女
教皇の前にいる聖職者たちは、神と信頼で結ばれていましたが、悪魔の前にいる男女は、鎖でつながれています。
これでは、信頼ではなくて、束縛ですね。
恋人のカードに描かれていた男女に、獣の角としっぽが生えているようにも見えます。悪魔に魅入られた人間は、だんだん獣になっていくのでしょうか。
悪魔のキーワード
覚えておきたい3つのキーワード
他のカードと似ているところがありながら、まるで他のカードを否定するために存在するかのような【悪魔】のタロットカード。そのキーワードを解説しましょう
(1)激しすぎる力
(2)学問と科学
(3)邪道
邪道ではあるけれど、悪魔は大変なパワーの持ち主です。常識を超える、逆転の発想といった言葉が浮かんできます。
また、悪魔とは、一神教であるキリスト教によって、「神ではない」と貶められた、古代の神であるとも考えられます。
否定されようが、力は力、智恵は智恵。その理屈では、科学もまた、悪魔の守備範囲です。
異端者として裁判にかけられたガリレオの「それでも地球は回っている」という言葉が思い起こされます。
悪魔のカードが機能不全を起こした場合
さて、他のカードの説明では、そのカードがうまく働かないケースについての話をしましたが、悪魔はそもそも、力を間違った方向に使うというタロットカードです。
間違った方向に進むことを、間違う……? なんだか混乱した状態ですね。とはいえ、善の方向へ進んだら、悪魔ではありません。
ダサいとか、セコいとか、小悪党的な感じになるでしょうか。人を呪わば穴2つ、欲望で身を亡ぼす、だますつもりがだまされる、しっぺ返しを受けるといったケースも考えられます。
悪魔の実占例
波乱を予感させる【悪魔】のタロットカードが実際の占いの中で出てきたら困っちゃうでしょうか?
確かにアクが強いところは否めませんが、なかなかおもしろい解釈もできます。
悪を知ることによって、だまされなくなるとか、危険な場面だとわかっているからこそ、大失敗を避けられるとか。カウンターパンチを打つような物語が考えられますね。
また、恋愛の場面では、激しいパッションがあらわれます。相手を絶対に自分のものにしたいという、強烈な情念。恋人のカードが出るよりも、【悪魔】のタロットカードが出たときは、もっと激しい恋の炎が燃え上がるでしょう。
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■タロットカードの意味・解説ページ一覧
【大アルカナ】
0.愚者 / 1.魔術師 / 2.女教皇 / 3.女帝 / 4.皇帝 / 5.教皇 / 6.恋人 / 7.戦車 / 8.力 / 9.隠者 / 10.運命の輪 / 11.正義 / 12.吊るされた男 / 13.死神 / 14.節制 / 15.悪魔 / 16.塔 / 17.星 / 18.月 / 19.太陽 / 20.審判 / 21.世界