タロットカード【16:塔】の意味・解釈・実占例を解説

タロットには謎めいた絵が描かれていて、その意味をひとつずつ覚えなくてはいけないと思っているかもしれませんね。

でも、難しく考えなくて大丈夫です。

大事なのは、タロットカードから受け取ったインスピレーションを、そのままシンプルに言葉にすること。1枚のカードから発せられるメッセージは無限にあり、正しいとか間違っているとかは、ありません。

この記事では、タロットの中から『塔』のカードについて、とくに重要なエッセンスを抜き出して、お伝えしています。

塔の絵の解説

【塔】のタロットカードに描かれているモチーフについて、説明しましょう。

 

塔の3つの注目ポイント

塔の注目ポイントは3つです。

1、バベルの塔
2、雷
3、落ちていく

一つずつ順番に見ていきましょう。

1、バベルの塔

旧約聖書、創世記に描かれる、バベルの塔の物語は知っている人も多いと思います。

天に届く塔を作ろうとした傲慢な人々が、神の怒りに触れました。塔は神が投げた雷によって打ち砕かれ、人々は大地に投げ出されました。

それまで、世界中の人間たちは同じ言葉を話していましたが、神の怒りに触れてからは、バラバラの言葉を話すようになってしまいました。

2、雷

……と、バベルの塔の物語はこんな感じなのですが、塔というモチーフには、別のイメージもあります。

古代の人たちが考えた宇宙モデルの中に、塔のような形のモデルがあるんです。現代の高層ビルのようなイメージでしょうか。

一番てっぺんに神さまがいて、いちばん下が、私たちの住む世界。その間に、ダイモーンと呼ばれる、いろいろな力を持った精霊たちがいます。

神さまが、雷……というか、人間のもととなる魂を投げ落とすと、塔の途中の階にいるダイモーンたちが、魂にいろいろな贈り物を授けます。そして、大地に生まれ落ちたのが、人間です。

3、落ちていく

【塔】のタロットカードに描かれた、落ちていく人の姿は、なんだか魂が地上に落ちていく姿のように見えますね。

いったい、私たちは何をするために、地上に降りて来たんでしょうか。【塔】のタロットカードは、そんな哲学的なテーマを含んでいるようにも見えます。

塔のキーワード

覚えておきたい3つのキーワード

【塔】のタロットカードが示す、典型的なキーワードについて解説しましょう

(1)ブレイクスルー
(2)起死回生
(3)ショック療法

少し前のタロットの教科書には、【塔】のタロットカードと言えば悪いカードで、災いが起きるだなんて書いてあったものでした。

でも、そういう解釈をしていると、占いの主役であるクライアントは、幸せになれません。占いをする目的は、クライアントを幸せにすること。

だから、【塔】のタロットカードの『強烈なパワー』に注目するのがいいと思います。

ブレイクスルーとは、壁を突破して、前進すること。起死回生は、死にかけた人を生き返らせること。ショック療法は、いったん衝撃を与えて、生きる力を取り戻させること。

いずれにしても、1回は【塔】のタロットカードにふさわしい破壊があるんですが、その後の建設が本当の目標です。

塔のカードが機能不全を起こした場合

扱いが難しい【塔】のタロットカードのエネルギーをうまく使えなかったとき、カードの機能不全が起きます。

堕落する、自暴自棄になる、傲慢であり続ける、怒りが抑えられない、同じ過ちを繰り返す、など。こちらの方向へ行かないように、クライアントを助けてあげたいものですね。

塔の実占例

【塔】のタロットカードは、単独では厳しい意味を示します。

どうしても、『破壊』『崩壊』というイメージから逃れられないからです。人間関係でも、仕事でも、修復不能なところまで迫っているといえるでしょう。

でもそれは、「このまま、何もしないで手をこまねいていたら」という警告だとも受け取れます。災いがやってきそうだと、あらかじめわかっていれば、避けることも可能ですし、ダメージを最小限に防ぐ手立ても考えられます。

たとえば、「傲慢になると、せっかく作り上げてきた信用が壊れてしまうよ」といった、警告として解釈したら、役に立ちますよね。

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【大アルカナ】
0.愚者 / 1.魔術師 / 2.女教皇 / 3.女帝 / 4.皇帝 / 5.教皇 / 6.恋人 / 7.戦車 / 8.力 / 9.隠者 / 10.運命の輪 / 11.正義 / 12.吊るされた男 / 13.死神 / 14.節制 / 15.悪魔 / 16.塔 / 17.星 / 18.月 / 19.太陽 / 20.審判 / 21.世界