タロットカード【0:愚者】の意味・解釈を解説

タロットには謎めいた絵が描かれていて、その意味をひとつずつ覚えなくてはいけないと思っているかもしれませんね。

でも、難しく考えなくて大丈夫です。

大事なのは、タロットカードから受け取ったインスピレーションを、そのままシンプルに言葉にすること。1枚のカードから発せられるメッセージは無限にあり、正しいとか間違っているとかは、ありません。

この記事では、タロットの中から『愚者』のカードについて、とくに重要なエッセンスを抜き出して、お伝えしています。

愚者の絵の解説

【愚者】のタロットカードに描かれた重要なモチーフについて解説します。

 

愚者の3つの注目ポイント

愚者の注目ポイントは3つです。

1、道化師の衣装を着た旅人
2、崖の上
3、犬

1つずつ順番に見ていきましょう。

1、道化師の衣装を着た旅人

天を仰いで、楽しそうに歩く若者。旅をしているのですが、あまりにも軽装で、荷物もほとんど持っていません。

そのうえ、ド派手な道化師の服。色華やかな袖は、風をはらんで、南国の鳥の翼のように、はためいています。

奇妙で、何も考えていない様子だから、愚者は「愚か者」だなんて呼ばれているのでしょうか。

彼は本当にバカなのか。それとも、智恵というもののバカバカしさに気付いた人なのでしょうか。

2、崖の上

愚者が歩いているのは、崖の上です。

彼は全く気付いていないかのようですが、一歩足を踏み外したら、奈落の底へ。この危うい場所を歩いているということが、【愚者】のタロットカードのポイントです。

3、犬

愚者の足元にいる犬は、何をしているのでしょう。

危険な場所を歩いている愚者に、警告しているのでしょうか。それとも、ただ彼が好きで、じゃれついているだけなのでしょうか。

古いタロットカードの中には、犬が愚者にかじりついて、ズボンが破れ、おしりが出ちゃっている絵柄のタロットカードもあります。

なんだか、ドタバタ喜劇のような雰囲気? となると、愚者って、お笑い芸人みたいな、ユーモラスなキャラクターでもあるんでしょうか。

愚者のキーワード

覚えておきたい3つのキーワード

つかみどころのない愚者のカード。キーワードを出すのも難しいのですが、典型的な言葉をご紹介します。

(1)自由
(2)境界を越える
(3)全てを手放す

【愚者】のタロットカードには0番と番号が振られていますが、タロットカードによっては、番号がないこともあります。

【愚者】のタロットカードは、トランプのジョーカーのもとになったカードだともいわれます。

【愚者】のタロットカードは、定位置を持たず、永遠にさまようもの。あらゆる境界線を越えることができるけれど、どんなグループにも属することができません。

どこにでも行けるけれど、どこにもいられない。これを自由というのか、よりどころがないというのか。愚者は、何にも考えていません。

愚者のカードが機能不全を起こした場合

そんな愚者には、「カードの力がうまく働くかどうか」なんて、どうでもいいことです。

でも、関わる人たちにとっては、やっかいな存在になることもあるでしょう。秩序を大切にする人たちにとって、自由すぎる人は、非常識にも見えます。

愚か者、嘘つき、ペテン師、狂っているなどなど、そしられたり、差別されたり、ときには迫害されたりすることもあるかもしれません。

しかし、愚者本人にとっては、何を言われようが、されようが、どこ吹く風。追われたら、去るだけです。

愚者の実占例

最大の答えは「わからない」です。

占ってくださいと言われて、「どうなるかわかりません」では、答えになっていないのですが、この答えになっていないところが、いかにも【愚者】タロットカードです。

人間関係も、作れるような、作れないような。

突然現れて、家族のように親しくなったかと思うと、いつの間にかどこかへ行ってしまう、とか。毎日、言うことが変わって、一貫性がない。そもそも、意見というものがない。本題からどんどんずれていく。

けれど、なにか深刻なことがあるわけでもない。どこまでもつかみどころがないのが、【愚者】のタロットカードです。

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■タロットカードの意味・解説ページ一覧
【大アルカナ】
0.愚者 / 1.魔術師 / 2.女教皇 / 3.女帝 / 4.皇帝 / 5.教皇 / 6.恋人 / 7.戦車 / 8.力 / 9.隠者 / 10.運命の輪 / 11.正義 / 12.吊るされた男 / 13.死神 / 14.節制 / 15.悪魔 / 16.塔 / 17.星 / 18.月 / 19.太陽 / 20.審判 / 21.世界